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真誕生日SS「Fireworks」

・タイトルどおり真の誕生日SSです。
・設定は当サイトの基本的な設定通りの「稲葉右京」が主人公となっております。
・既にプロデュースは二年という設定です。
・プロデューサーは誰ともカップリングにはなっていません・

以上を受け入れる方のみ追記からどうぞ。

ぜひ、暇つぶしがてら読んでやってください。




「たーまやー!!!」

花火がドーンという音を立て美しく輝いたのと、今や日本を代表するアイドルでありダンサーでもある「菊地真」が、祭りの賑やかな喧騒に囲まれている、一番花火が美しく見えるテレビ用の放送席から花火ではお馴染みの掛け声を叫んだ。

・・・今日は真と一緒に花火大会の解説の営業として某県の花火を観にきていた。
といっても、ただ花火を見て感想をいうだけの、解説なんてたいしたことではないのだが。
今や多くのトップアイドルを輩出している765プロの中でも屈指のダンサーである彼女は、夏フェスで多くの大物アーティストのゲストダンサーとして引っ張りだこで、今年の夏は夏らしいことはそれこそ夏フェス以外何もできなかったのだ。

夏で仕事が忙しいとはいえ他のアイドルは多少は休みをとって夏を楽しんだというのに、真だけ何もないのは不公平だと思いせめて花火とお祭りだけでもと思い、強引にスケジュールにこの営業を組み込んだ。
真のアイドルランクを考えると正直、あまり真にプラスにならないやや低い知名度の花火大会ではあるが、村興しのためにぜひ、という村長さんから懇願と、真に日にちを告げると「ぜひ、ぜひ行きましょう!!」と押し切られてこの仕事を受けたのだ。

「大丈夫か?真。浴衣って暑いんだろう?」

「はい、大丈夫ですよ。昼間はとてもじゃないですけど着ていられませんけど、夜なら冷たい風も吹きますし、何よりカキ氷とかもスタッフさんからいただきましたし。」

「そうか。なら、いいけど・・・それでもしっかり水分は摂れよ。」

「はーい。・・・へへ。」

今の彼女の姿は夏の間忙しくて髪を切りにいけなかったので、ショートからセミロングほどまて伸びた髪を結い上げ、黒と紫で美しく彩られたまさに真にふさわしい代表曲「エージェント夜を往く」カラーの浴衣を着こなしている。
そんな彼女に俺が番組の休憩の合間に話かけると彼女は上機嫌のまま先ほどのように答えた。

なぜ、上機嫌か。
それはまず、こちらに来て驚いたのがその歓待ぶり。
早朝、旅館につくと特に予約もしていないのに真っ先に予約通りの値段で、その旅館で一番いい部屋に通してくれて、部屋に着くなり番組で着る色彩豊かな浴衣をズラリと並べられ、その中から好きなものを自由に選ばせてくれた。
そして昼食もその土地の特産品や旬のものをふんだんに使った料理を並べてくれて、昼食が終わったあと少し外を歩こうかということで、旅館から出るなりファンの人(八割が女性)に取り囲まれ、地元の人たちが横断幕まで作ってくれていたのだ。

「村興しのためとはいえ・・・、流石にちょっとあの歓迎は・・・。」

「へへ、まぁ、確かにちょっと驚いちゃいましたけど別にいいじゃないですか。」

そういって彼女は上機嫌そうに手にもっていたカキ氷をパクついた。

・・・まぁ、確かに悪いことじゃないよな・・・。でも、なんかこんなにお世話になってからだと律子に怒られそうな気がしないでもないな・・・。

「・・・そういえば、プロデューサー。僕に何か言う事とか渡すものがあるんじゃないですか?」

「・・・・・・?なんかあったっけ?」

真は頬を軽く紅くさせながらモジモジとしている。
俺は彼女のそういうところが事務所の誰にも負けないぐらい女の子らしいところだと思うのだが・・・、当の本人はまったく気づいていないらしい。

それにしても真に言う事か渡す物?なんかあったけな・・・?
俺のキャパシティの少ない脳内を必死に探っているとティン!!と思い当たるフシがあった。

「ああ、そうだ分かったぞ!!」

「分かりましたか!?そうです、今日は僕のたんじょ・・・。」

「まったく真も知ってたならハッキリ言ってくれればよかったのによ。・・・はい、無料券。」

俺はそういってポケットから手作り感あふれる、十枚つづりぐらいの「屋台無料券」と書かれた券を真に渡した。
これは昼間村長さんから渡された屋台を一軒に限り一度だけ使える村の人たちからのプレゼントだ。
地元の人たちがご好意でくださったもので、画用紙に「屋台無料券」と軽く注意事項書いてあるだけの紙だが、裏側には村役場のサインの判子がついてあるので十分使える。
真にその説明をし、花火終了後も屋台は一時間はやっているので行ってこいよと真に言うと、「あ、ありがとうございます・・・。もう、プロデューサーも随分焦らすなぁ」とか何とかブツブツ言っていた。

「じ、じゃあプロデューサー!!プロデューサーも一緒に屋台回ってくださいよ!!」

「俺も?」

なんで俺が・・・、と言いかけたがよく考えると確かに花火が終わってもお客さんはまだかなり残っているはずだ。
加えて真のファンは熱狂的(?)なファンが多いため、一応、何かあった時のために俺もいたほうがいいかもしれない。

「・・・・わかった。俺も一緒に行くよ。」

「本当ですか!?へへ、やーりぃ!!!」


----------------------------------------------------

「・・・それでは皆さんさようなら~!!」

二時間ほど打ち上がっていた花火がとうとう終わり、生放送の番組も終了した。
真は生放送の緊張からか、スタッフの「はい、OKです!」という声と一緒に拍手が聞こえてくるのと同時にふぅ、と小さくため息を吐いた。
地元のテレビ局の司会者さんと「おつかれさまでした」と握手をして、満足げな笑顔を浮かべながら俺のほうに歩いてくる。

「おつかれ、真。」

「お疲れ様でしたプロデューサー!!へへっ、花火綺麗でしたね。」

「ああ、あんま有名じゃないから正直、どうなんだろとかって思ってたけど予想以上にすごかったな。」

そういって俺が真に紙コップの水を渡すと、真はグイっと一気に飲んでしまった。

俺は周りの状況をちらりと確認して、テレビ局の機材の撤収具合を確認する。

やはり地元のローカルことと、真が今回出演するということで機材やセットに気合を入れすぎてしまったせいか、随分のバタバタとしながら機材の撤収を始めているようだ。

「さて、真。生放送が終わってすぐで悪いがこれから一応関係各所さんに挨拶にいくぞ。」

「え~、お祭り見て回れるんじゃないですか?」

「しょうがないだろ?仕事で来てるんだから。・・・心配すんなって、見た感じ撤収作業に随分手間取っているみたいだし、挨拶が終われば撤収作業が終わるまでずっと自由時間だからさ。もう閉まっちゃってる屋台もあるかもだけど、それでもあと一時間ぐらいはやってるだろ。」

「・・・ホントですか?へへっ、やーりぃ!!」



「プロデューサー、次なに食べましょうか?あ、それともなにか遊びますか?」

「ちょ、ちょっと待ってくれよ!!」

まぁ、無事に地元テレビ局のお偉いさんや地元の市長さんなんかとの挨拶も終わらせて、俺と真は約束どおりに出店に遊びにきていた。
真は朝からぶっとおしで動き続けているというのに、まったく疲れた様子もなく無料券を使って自由に遊びまわっている。
かくいう俺は日ごろの運動不足やなんかのせいですっかりヘトヘトだったが、真と一緒に射的でどちらが京浜を多く落とせるか勝負したり、どちらが金魚を多く掬えるかなどと遊んでいるうちにそんな疲れも吹っ飛んでしまっていた。

「ん~、次はプロデューサーなにしましょうか?」

「ちょ、ちょっと待ってくれ真・・・。俺もうヘトヘト・・・・。」

仕事が忙しくて運動もろくにできないから、できるだけカロリーの高い食べ物は避けて、お酒もタバコもやらないのだが、予想以上に体力が落ちてしまっていたらしい。
・・・プロデュースを始めた頃も今も、営業で走り回っていたから、そこまで体力は落ちていないと思っていたんだけど、まさかここまで体力が落ちているとは・・・。
思わずため息を「はぁ~」と吐くと、真はちょっぴり苦笑いしながら「運動不足ですよ、プロデューサー!」と言った。

「プロデューサー、情けないですよ。いつもいつも自堕落な生活をしているから若いのにそんなに体力が無くなっちゃうんですよ。」

「真、そんな律子や千早みたいなことを言わないでくれよ・・・。地味に凹んでいるんだから・・・。」

「しょうがないですね・・・、ちょっとあそこで休みましょうか。」

真が指差した先には、祭りの光が反射して小高い丘の上に鳥居と神社らしきものが見える。
そういうなり真は「へへっ、行きましょうよプロデューサー!」と先に行ってしまい、俺も疲れた体にムチを打って走り出した。
屋台が並ぶとおりから曲がると、そこには見ただけでうんざりするほど長い階段が鳥居までずっと続いている。
ただでさえ心臓がオーバーヒート気味なのに、この階段を上れと?
そんなことを考えているうちに真は浴衣で走りにくいはずなのに、すいすいと二段飛ばしで階段を上がっていく。

「ええい、ちくしょう!!」

どうにでもなれ!!心の中で叫んで、俺も一気に階段を駆け上がり始めた。
階段はかなり歪んでいて一段一段が不規則に並んでおり、気をつけて足を前に出さないと躓いてしまいそうになる。
おまけに道は灯り1つなく真っ暗で、屋台の明るい光から一気に暗いところに来たせいで目がまったく見えない。
だというのに、真はスピードをまったく落とすことなく夜も目がきく猫のようにしなやかに駆け上がっていってしまう。
真は時々妙に猫っぽくなることがあるが、もしかしたらアイツはホントは猫なんじゃないだろうか?
・・・というか、そろそろアイツを止めないとまずいかも・・・。
真っ暗で何も見えないし、階段はなかなか急だからあのスピードで転んだら洒落にならない。

「おい、真!!ちょっと待て!!」

苦しい呼吸を振り絞ってそう叫ぶが真はまるで聴こえてないようで、止まるどころかさらにスピードを上げて階段を駆け上がっていく。
道も人があまり来ないためかドンドンと獣道じみてきてところどころ枝が飛び出てきているし、大きな石まじりの砂利も増えてきた。
それからまた走っていると不意に真の姿が消えて、ほんとに最後の力で階段を上がり鳥居の下を潜ると狭かった視界が不意に広くなった。
どうやら、頂上の神社に着いたようだ。
周りを見渡してみると目の前にはひっそりとした神社がたっていて、ほかには特には目ぼしいものもなく、音は自分の荒い呼吸の音と、虫が鳴いている声、そして遠くで聞こえるお祭りの音だけだった。

「はぁ・・・はぁ・・・。真、いったんどうし・・・。」

中途半端なところで俺は思わず言葉を切ってしまった。
真はわずかに息をしながらこちらを向いており、上手く言葉にならないが、とても切なそうにしながらも嬉しそうな、ちょっぴり困ったようなそんな微笑を浮かべていた。
---彼女が滅多に見せないそんな儚い表情に俺は思わず見蕩れて、言葉を失ってしまったのだ。

「・・・プロデューサー。今日は何日か分かりますか?」

「・・・?、何日って今日は・・・?」

俺はポケットから携帯電話を取り出して開くと、「パカッ」と間抜けな音を出して開く。
ずっと明るいところにいたせいか、思わず携帯の眩しい液晶の光に目が眩むが、すぐになれて画面の端っこに表示されている日にちを確認する。
日にちを見てもパッとせず、トップメニューから設定したショートカットでスケジュールを確認すると、ハッと思い出した。

「・・・今日は8月29日、僕の誕生日ですよ。」

「あ・・・。やっべぇ・・・。」

ここ最近、今日の仕事のためのスケジュール調整のことですっかり忘れてしまっていた。
確か先月末ぐらいに真の誕生日のことで事務所で話題にたって、「プレゼント、期待してますよ!!」って言われてたのにも関わらず、だ。
間抜けにも「おう、期待しとけ」なんて答えたような気がする。

「ホントにゴメン!!真、プレゼントすっかり忘れちまってた!!」

「まぁ、薄々気づいてはいたんですけどね・・・。プロデューサーったらヒドイな~。」

真に手を合わせて頭を下げると真は拗ねたように唇を尖らせて、石ころを蹴飛ばしている。
俺は体中のポケットを物色して何かプレゼントできるようなものがないか探すが、当然薄給の俺にトップアイドルにプレゼントできるような高価なものを持っているわけがなく、ガラクタばかりが出てくる。
どうしよう・・・、ポケットからはピックやら小銭しか出てこないし、持っている腕時計も安物なうえにボロボロだし・・・。
当の本人である真はそんな俺の慌てっぷりを見て、大笑いしている。

「ぷ、プロデューサー、別にいいですよ。忘れてたのは流石にちょっとショックですけど、僕、実はそんなに悪い気分じゃないんですよ。」

「だ、だけど、約束だし・・・・。」

「いいんですよ、プロデューサー。確かにプレゼントがもらえないのはショックですけど、実は同じぐらいショックだったのが、夏なのに夏らしいことができないことだったんですよ。」

真はそういうと笑うのをやめてちょっと切なそうな表情をして、俺の横を通り過ぎて町の景色を眺めはじめる。

「僕、今年の夏は大好きなダンスをいろんな人とたくさん共演できたりして嬉しかったし楽しかったんですけど、それでもやっぱり春香たちが今日はお祭りに行った、とか、花火を見たっていうのも聞いてるとちょっぴり羨ましくて・・・。」

「真・・・。」

「でも、そう思ってたら、まるでプロデューサーが僕の気持ちが分かるみたいに、花火大会の営業とってきてくれて、しかも僕の誕生日だったから何かサプライズがあるのかなってとっても嬉しくて。」

「まぁ、プレゼントはもらえなかったんですけどね」と言って真はちょっと非難の眼差しで俺を見る。
当然、俺は小さくなるしかなかったわけで。

「ほ、ホントにゴメンな真・・・。」

「いいんですよ、ホントに。プロデューサーが僕のために一生懸命この仕事のためにスケジュール調整のために頑張っていてくれて、嬉しかったですし。」


「あ~あ、でもプレゼント欲しかったな~」と真はわざとらしく言うと言葉を切って、少しもじもじしながら、頬を僅かに紅くして「だから」と再び言葉を続けた。


「だから、プレゼントの代わりに1つだけお願い、聞いてもらっていいですか?」

「あ、ああ・・・。約束だからな。なんでもドンと来い!!」

「わ、分かりました・・・。じゃあ、僕がいいって言うまで目を瞑っていてもらっていいですか?」

俺は「わかった」といって目を瞑る。
夜とはいえ目が慣れてきて真の顔ぐらいはハッキリと見えたのだが、目を閉じると今度こそ完全な暗闇の幕が下りて何一つ見えなくなった。
しばらくずっと、目を閉じていると真が「じ、じゃあ、いきますよ?」と言って俺か「何が?」と聞こうとした瞬間、首に手が回り俺の唇か何か柔らかいものが塞いだ。
俺は事態が理解できずに背筋をピーンと伸ばし思わず硬直してしまった。
数秒だったか、数十秒だったか分からないがしばらくそのままの状態でいると不意にその感触が俺から離れた。

「な、なぁ・・・真。もうそろそろ目を開けてもいいか?」

「は、はい。いいですよ・・・。」

ゆっくりと目を開くと明らかに眼を閉じる前より顔を真っ暗にしている真に俺は相変わらず事態が理解ができないまま、呆然としている。

「ま、真。お、お前俺に何をしたん・・・。」

「わー!!わー!!わー!!聞かないでください!!」

そういって真は突然、階段を物凄いスピードで駆け下りていき、俺もあわてて追いかける。
なんども静止の声をあげるが、真は登りの時と同じようにまるで俺の声が聞こえないかのようにグングンと駆け下りていく。
・・・と、思ったら突然、階段と階段の踊り場のように場所で立ち止まりクルリと振り返った。

「ぷ、プロデューサー!!」

「な、何だよ?」

「大好きですよ!!!」
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約束通り参上

拝読しました。
仕事の背景と時間の進行がスムーズに描かれていて、とても軽快でした。
また夏の情感が随所に溢れていて、間接的に真とデートしているような気持ちもなりました。王道的な夏がいいですね~。
きっと真がメロン味のかき氷食べて、「べっ!」って緑の舌出したりしているんでしょうね。
欲を言えば、最後、もうちょっとあの後が読みたいですね。
プロフィール

ラフ・メイカー

Author:ラフ・メイカー
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このブログは管理人の気の向くままSSを書き散らすブログです。
二次創作として原作には存在しないオリジナルキャラクターを登場させています。
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現在はアイドルマスターやけいおん!のSSなどを公開しています。

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